「2019年版透析排水基準達成のための手順書」Ver1.00の発行 について
「2019年版透析排水基準達成のための手順書」Ver1.00の発行
2017年末、都内透析施設からの下水道法基準を著しく逸脱した排水によって下水道管損傷事故1)が発生した。その後、東京都下水道局長より日本透析医学会、日本透析医会及び日本臨床工学技士会(JACE)あてに「透析装置の洗浄排水に関する調査の実施について」の依頼(30下施排設第116号の2 平成30年9月25日)があった。2018年秋に実施した上記3団体合同の調査の結果、都内透析施設323施設から回答があり、透析排水に対して適正な処理がされていない施設が存在することが明らかとなった。これらに対応するために、まず2019年1月25日に上記3団体理事長/会長名で会員向けに「透析施設の排水による下水道管損傷事例発生とその対策について」という会告が出され、同時に国土交通省、厚生労働省、日本医師会、東京都下水道局からも注意喚起が出された。3団体は「透析排水管理ワーキンググループ」を設立し、関係団体(日本医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN)、中和処理メーカーなど)の協力のもと具体的な対策の立案に向けて検討してきた。その結果、同年4月1日に「透析関連排水に関する勧告」を発出するとともに透析排水管理の重要性について啓発活動を展開してきた。更に2019年10月には「2019年版透析排水基準」を発出した。以上の経緯を踏まえ臨床現場で具体的に「2019年版透析排水基準」を遵守するための「2019年版透析排水基準達成のための手順書」を作成した。尚、本手順書の作成にあたり2020年1月23日~2020年2月10日にJACEのホームページ上にドラフトを公開し、パブリックコメントを求め修正・追加を行った。その後、日本透析医学会、日本透析医会へ本手順書の監修を依頼し、2020年3月末の理事会で承認が得られた。今回「2019年版透析排水基準達成のための手順書」Ver1.00を正式に公開する。透析施設からの排水が適正なものになることを期待いたします。
以上
2020年4月13日
公益社団法人 日本臨床工学技士会
透析関連安全委員会