生涯教育制度について
 臨床工学技士(以下、CE)は常に最高の医療を患者さんに提供するのが使命であり、その時代や場面において最も効果的な手法の選択が可能となる能力を身に付けておく必要があります。そのためには、日進月歩で進化する医療環境で、常に新しい知識と技術の獲得を意識していなければなりません。CEの免許を取得した時点で終わりではなく、CEとして医療に関わる限り、生涯を通して学びを深める必要があります。公益社団法人日本臨床工学技士会(以下、日臨工)が会として果たすべき最大の役割は、CEを永続的に成長させ、「いのちを支えるエンジニアとしてすべての人の健康と笑顔を追求すること」であり、我々会員ひとりひとりの支えによって存続が成立しています。即ち、会員の会員による会員のための技士会です。我々会員自身が会を支えCEを支えている自覚を持ち、生涯にわたって継続して学びを深めることによって、より品質の高い医療の提供を目指しましょう。

構成
 全体の構成図を以下に示します。プリバドによるe-ラーニングの受講を基本とし、必要に応じて対面講義が開催されます。受講者はまずオリエンテーションと基礎研修の受講を終えた後に、それぞれのカテゴリーへ進んでください。

-必須講習-(すべての会員が受講必須!!)

入会オリエンテーション
 当会の存在意義や事業内容ついて学びます。職能団体の一員としてより良い医療の提供と社会貢献に対する自覚を身に付けていただきます。

臨床工学技士基礎研修
 臨床工学技士として、医療機関や関連する施設で業務を行うにあたり、基本的な知識と技術を身に付けて頂くことを目的として構成されています。社会人としてあるべきマナーや生活を営むうえで必要となる予備知識にも学びます。

※ 「必須講習」の終講は、「臨床工学技士専門・認定制度」の必須要件です。

-任意講習-(必要に応じてスキルアップを目指す!)

 任意講習は受講者が必要に応じてスキルアップを目指す構成となっています。必須講習を終えた後の応用編として、キャリアアップ、専門技術、教育研究、リカレントのカテゴリーと、それぞれに3段階の難易度(レベル)を設定しました。必ずしも難易度順に進める必要はありません。受講のタイミングで実力に応じたコンテンツをご視聴ください。基本コースに収まらない内容のコンテンツは、リカレントコースとしてとりまとめた形で整理されます。ひとつのまとまった形として内容が充実すれば、新たなコースとして新設することも検討します。

キャリアアップ
 社会人として必要な基礎的人間力や、組織の一員として習得すべきコミュニケーションやマネジメントなどを中心に学習します。新人や部下の立場として将来の成長と展望を切り開くステップ1、多職種との連携が必要となり、中間管理職としてチームをまとめる役割となった会員を対象としたステップ2、組織をけん引する立場となりマネジメントの中心人物の受講を想定したステップ3の段階別構成となっています。

専門技術
 臨床を基本業務とした“CEのスペシャリストを育成する”内容となっています。医学と工学の基礎知識をバランス良く学んだCEは生命維持管理装置の操作と保守管理が基本ですが、それに付随して多種多様な守備範囲の広い業務に対応が求められます。その専門技術に必要不可欠な基本業務を学ぶステップ1、基本技術をベースに応用を展開したステップ2、さらに専門的な知識と技術を追求したテップ3の段階別構成となっています。

教育研究
 臨床工学の研究者を育成する内容となっています。研究者を目指すうえで学術論理的な学びや、研究の進め方などの基礎を習得するステップ1、修士課程を想定し基礎的研究に深みを取り入れたステップ2、博士課程を鑑みそれに匹敵する内容を織り込んだステップ3の段階別構成となっています。

リカレント
 リカレント(recurrent)は「循環する」「再発する」といった意味ですが、タイミングを見て周期的に教育を受け続けていく仕組みと捉えられています。本会の会員への教育・学習環境の整備を目的として導入されたコースであり、ステップアップコースに該当しないコンテンツをまとめ、生涯にわたって繰り返し学習することが可能で、受講時期に関わらず改めて知識を深められることを目的としています。年代に合わせた様々なコンテンツを提供し、CEとしてより豊かな人生を送ることができるような構成を目指しています。

-指定講習-(専門・認定臨床工学技士検定試験に必須受講「目指せ!専門CE・認定CE」)

 当会が認定する専門・認定制度です。当会が実施する検定試験に合格し、所定の要件と合わせて申請を行うことによって、「専門臨床工学技士・認定臨床工学技士」の称号が得られます。専門臨床工学技士とは、各領域業務に携わり業務内容を適切に把握し、指導的立場で専門的治療の対応ができる能力(知識・技術・技能)を有するもの、認定臨床工学技士は医療機器の安全運用・保守管理の普及と啓発を促し、より高い技術と知識によって医療現場に有益な貢献が可能となる人材。とされています。

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